◇お待たせ致しました。今度は家伝の「黒豆」の紹介です。おそらく農家から嫁いできた母親の実家伝来の豆で品種など皆目わかりません。私はその豆をこれまで種子として何十年も使って参りました。黒豆はお節料理として知られていますが、私は季節に関係なく年中食卓に並べて食べています。かじると口の中にコクが滲み出てご飯のおかずとして何とも言えない味わいです。

◇津軽弁に健康を意味する「まみし」という言葉があります。「あばやまみしぐくらしてらが。～おばあさん、お元気で暮らしていますか。」と挨拶代わりによく使います。この言葉には「豆豆しい」が「豆しい」を経て「まみし」と訛ったものという説がありますが、残念ながら違うようです。実は「忠実しい（まめしい）」というちゃんとした言葉があるのです。勤勉でよく働く様、体が健やかで丈夫な様、を表します。しかも「忠実（まめ）」は勤勉で健康を意味する古くからの言葉です。「まめまめしい」も「忠実忠実しい」であり、決して「豆豆しい」ではありません。辞書でも「豆」と「忠実（まめ）」は明確に区別しております。室町時代の『増鏡』＜草枕＞には「人がらもまめしく、いとねんごろに思ひきこへ給へれば」とあり、同時代の『日葡辞書』にも「マメシュウモナイヒト～てきぱきすることが少なく、きびきびもしていない、つまりぐずな人」と記しております。津軽弁は二重母音を避ける傾向がありますので「まめしい（mamesii）」が二重母音を避けながら「まみし」に訛ったものと言えます。もし「豆豆しい」という言葉が実際に多用されていたとしても「まめ＝豆～豆のようにころころして健康」のイメージから引かれた俗語と言えるでしょう。

◇今回出品している商品は「黒豆」のみ１キロです。袋に入れてネコポス（厚さ３㎝程度、大きさA４）の箱に梱包します。対面受け渡しはありません。ポストの準備が整っておられない場合は玄関前にポスト代わるものを置いて頂ければ幸いです。粒は大小ミックスです。

◇黒豆の正式名称は黒大豆です。江戸時代後期には黒豆をお節料理として食べることが一般に広がりました。様々な栄養が含まれておりますが、たんぱく質が多く、脂質が少なめで、黒い皮に含まれる色素はアントシアニンといい、抗酸化作用のある物質です。完全無農薬栽培です。